井筒屋について
猫啼温泉 式部のやかた 井筒屋について
福島県石川郡石川町にある猫啼温泉 式部のやかた 井筒屋は今出川のほとりに宿が立つ、静かな温泉旅館です。 温泉街こそないものの、自然に恵まれ、四季毎に景色を楽しむことができ、ゆっくりとした時間をご堪能頂けます。 小説・舟橋聖一(ふなばしせいいち)氏の「ある女の遠景」や内田康夫(うちだやすお)氏の 「十三の墓標」(十三のぼひょう)の舞台となった宿です。
昭和10年頃の井筒屋
昭和10年頃の井筒屋
昭和10年頃の井筒屋周辺
昭和10年頃の井筒屋周辺
猫啼温泉の由来
今を去る千年の昔、平安中期の女流歌人「和泉式部」は、 当地石川の在に生れ、少女の頃、この里にこんこんとして沸く、清水のほとりに来ては、 水鏡で顔を洗い、髪を梳ることを楽しみとし、美しい乙女となった。
その時、式部が櫛を置くことをつねとした石を「櫛上げの石」と称し、今なお、当温泉地内に残っている。 式部の美しさは遠近に聞え、都へ上り、情熱の歌人として、その名を後世に遺した。
故郷にとり残された、式部の愛猫は病み衰えていたが、式部を慕い、 この泉に来ては啼き、泉に浴しているうちに、病体は癒えて、美しき猫となった。 猫を憐れんで見守っていた里人達は、はじめて泉が霊泉であることを知り、 泉水を汲んで入浴したら、諸病に効顕があり、この里を猫啼と名づけ、湯治場を設けた。 霊泉「猫啼」の名は年とともに広まり、名湯として今日に及んでいる。
和泉式部が櫛を置いたとされる【櫛上げの石】
和泉式部が櫛を置いたとされる【櫛上げの石】
石碑
石碑
和泉式部の和歌
あらざらむ この世のほかの 思い出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
歌意
病気が重くなって死んでいくこの身、 この世の最後の思い出に、 せめていま一度だけでもあなたにお会いしたいものです。
解説
作者が病に伏している時に恋人に贈った歌である。 (小倉百人一首56番「後拾遺集(恋・763)」)
和泉式部の伝説
平安時代の女流歌人、和泉式部には様々な伝説があります。
小和清水(こわしみず)
石川町の曲木(まがき)という地区に「小和清水」と呼ばれる清らかな湧き水があります。 伝説では「この地方を治めた豪族、眞垣荘司安田兵衛国康の一子、 玉世姫が産湯を浴びた清水」となっており、この玉世姫こそ、後の和泉式部であるとの言い伝えが残っています。 現在では、子育て・子宝の霊水として人々に親しまれております。福島の水30選にも選ばれています。
小和清水
小和清水